NARUTO短編集

□掃除に欠かせない知識とは?
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シカマルは、掃除用具入れの前で何やらゴソゴソしているマガナミを見つけて首を傾げた。

あいつ何やってんだ?

マガナミは、しばらくオロオロと用具入れの中を探っていたが、やがて掃除機を取り出してふぅと息をついた。

どうやら掃除を頼まれたらしい。







掃除機を手に取ってまず始めに行うこと、それはそう、コンセントを電源に差し込むことだ。

電源は掃除用具入れのすぐ後ろの壁にある。

彼女が振り向けばすぐの位置だ。

しかし、マガナミは身動ぎ一つせずにじいっと掃除機を眺めている。







彼女がどんな表情をしているのかは、廊下の端から見ているシカマルにはわからない。

しかしその様子は、途方に暮れているようにも見えた。















ずいぶんと長い間、彼女は掃除機を持ったままその場に仁王立ちしている。





…あいつ、もしかして…。






シカマルがある疑念を持ったところで、奥から声が投げられた。

「マガナミちゃん、掃除機見つかった?」

パタパタと小走りでやってきたヨシノは、マガナミが手に掃除機を握っているのを確認する。

「あぁ、よかったよかった。コンセントは本機の裏、電源はすぐ後ろにあるから!」

一息で言い切ると、じゃあよろしくね、と忙しそうに去っていった。







マガナミはしばらくヨシノの去っていった方向を眺めていた。

多分、いや十中八九何か言いたいことがあったのだろう。

やがて諦めたのか、掃除機を色々な角度に動かし、その感触を確かめるように、ペタペタと触り始めた。







シカマルの疑念はもはや確信に変わっていたが、これからマガナミがどのような行動を取るのか興味が湧いたので、そのまま様子を見守ることにした。
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