宝もの

□尊敬する人
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「あぁ…ちょっと!先輩!」

「んーふふふ、なんらよテンゾ〜
 俺の酒が呑めないってワケー?」

「先輩飲み過ぎですって…!」

「うるはーい、俺らって飲みたいろきもあるんらよ」

「はいはい、ッて!舌回ってないし…!」





数時間前、僕とカカシ先輩は任務帰りに酒酒屋に来た

二人きりで呑むなんて暗部時代以来だったし
始めは気軽に話しながら呑んでいたのだ

そう、ナルト達の話をしながらね




「お前、ナルト達のことどう思ってる?」

「どうって…そうですねぇ…
 最初はとても僕の手に負えない子達だと思いましたが
 いつの間にかチームワークも良くなって来ましたし
 サイの行動も根にいたとは思えないほど
 仲間意識というか…感情で動き始めているんで
 まとまってきたかな、と思いますよ!」



先輩は酒をグイと飲みながら
僕の顔をじろじろと見る



「ふーん、そうか…
 まぁお前は元々、俺なんかより
 教え方は抜群に上手かったもんな」

「や、やめて下さいよι
 そんな…褒められても……」

「いやいや、ホント!
 俺が動けなくなって、急遽呼び出されたってのに
 ナルトなんてもう"ヤマト隊長!!"って感じで
 お前のこと慕ってるじゃない?」



先輩に褒めちぎられて気分は良いが…
なんだ?…妙な胸騒ぎがι



「先輩、今日どうしたんですか?
 二人でこうやって呑むの、何年かぶりですし…
 何か、重要な話とか」

「ん、まぁ…重要って訳じゃないんだけどさ…
 俺なんかよりもテンゾウのほうが
 七班の担当に相応しいかなーなんて、ね」

「な、何言ってるんですか…!
 ボクはあくまであなたの代わりですよ?」

「俺は、代わりだなんて思ってないよ?
 お前が七班の担当になれば、俺は中でも外でも
 動きやすくなるなぁと思ってね!」



先輩は、僕に七班の面倒を任せたいと言い出した

この人の話は半分が冗談な事が多い
だが、今日は本気っぽいな…



「もし、そうだとしても!
 先輩はあの子達の事を途中半端にしたまま
 僕に引き継がせる人じゃない…でしょ」

「あいつらのことは、前よりも好きになったよ
 ナルトもサクラも、サスケの事で頭がいっぱいで
 まだまだガキみたいなとこもあるけど…
 アイツ…特にナルトを見ていると、思い出すんだ」



カカシ先輩は目を細めながら、微笑む



「………うちは、オビトさんのことですか…」

「………あぁ、よく似てるよ…」



そう言うと、僕に酒を注いでくれた





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