捧げもの

□決着…?
1ページ/5ページ

その日、その場所で、ある因縁の二人が、遂に、相見えたのであった。





うちは一族のアジト。

指定されたその場所で、うちはイタチとうちはサスケ、二人の兄弟は顔を合わせた。

長年の思いに、決着をつけるために。





玉座に腰をすえる孤高の王のように、悠然と佇むイタチと、

静かな闘志をもってその姿を見つめるサスケ。

「その写輪眼…お前はどこまで見えている」

イタチが、抑揚の無い声でサスケに問う。

その低音は、広い空間の中でわずかにこだまする。

「どこまで見えてるだと?」

サスケは、足を一歩踏み出した。

「今のオレのこの目に見えているのは…」

紅の瞳をイタチに向ける。

イタチの瞳も、一族特有の紅の瞳をしていた。



サスケは、常にこの時を意識し、この時のために生きてきた。

今、やっとそれが果たされようとしているのだ。

発せられた彼の言葉は、固い意志と、確信に満ちていた。



「イタチ、アンタの死に様だ」



イタチは、のけぞるように顔を傾けた。

思いを巡らすように目をつむる。

「オレの死に様か…」

二人の間に、わずかな緊張が走る。

今、まさに戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ