捧げもの
□決着…?
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その日、その場所で、ある因縁の二人が、遂に、相見えたのであった。
うちは一族のアジト。
指定されたその場所で、うちはイタチとうちはサスケ、二人の兄弟は顔を合わせた。
長年の思いに、決着をつけるために。
玉座に腰をすえる孤高の王のように、悠然と佇むイタチと、
静かな闘志をもってその姿を見つめるサスケ。
「その写輪眼…お前はどこまで見えている」
イタチが、抑揚の無い声でサスケに問う。
その低音は、広い空間の中でわずかにこだまする。
「どこまで見えてるだと?」
サスケは、足を一歩踏み出した。
「今のオレのこの目に見えているのは…」
紅の瞳をイタチに向ける。
イタチの瞳も、一族特有の紅の瞳をしていた。
サスケは、常にこの時を意識し、この時のために生きてきた。
今、やっとそれが果たされようとしているのだ。
発せられた彼の言葉は、固い意志と、確信に満ちていた。
「イタチ、アンタの死に様だ」
イタチは、のけぞるように顔を傾けた。
思いを巡らすように目をつむる。
「オレの死に様か…」
二人の間に、わずかな緊張が走る。
今、まさに戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。