捧げもの
□決着…?
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「…が、その前に」
しかし、その空気を遮り、イタチが唐突に話を変える。
あまりに無理矢理、というより、強引にも程がある。
「ここまで来れば、決着などいつでもつけられる。まずは…」
突如イタチが姿を消した。
サスケは身体を緊張させ、身構える。
その背後から、声が掛かった。
「茶でもどうだ」
投げかけられた言葉の意味を考えながら振り返ったサスケが目にしたのは、
いつの間にか用意されたちゃぶ台と座布団と、そこに腰を下ろすイタチの姿だった。
サスケの頭の中を様々な思考が巡る。
これは一体何の冗談だ。
こいつはオレに何をさせようとしている。
何か狙ってやがるのか。
鋭い瞳でイタチを睨み付ける。
そんなサスケの視線を意識してかしないでか、イタチは、うちはの家紋の入った湯飲みをゆっくりとすすった。
手前の席には、サスケのために用意したと思われる湯飲みも置いてある。
その湯飲みを見て、サスケは衝撃を受けた。
――ア…アヒル柄…だと…?
薄い水色の湯飲みには、数匹のかわいらしいアヒルの柄が入っていた。
サスケは、数秒フリーズする。
敵を目の前にして凍りついてしまった頭をサスケは慌ててフル回転させた。
――落ち着け。あれは、あの湯飲み全体を水に見立て、そこにアヒルが浮いている情景を表現したに違いない。
湯飲みの絵柄について考察し、ひとまずホッとする。
大丈夫だ、オレの頭はきちんと働いている。