捧げもの

□カカシの誤算
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大きな幹の上、二人の男が相対していた。



一人は、成人を迎えてしばらく経つ若者。

もう一人は、まだ十代の少年だ。



真剣、いや、険悪な雰囲気をまとって佇んでいる。



二人は教師と生徒という間柄である。



しかし、何も知らない者がこの場面を見ても、そうは思えないかもしれない。

なぜなら、少年は木の幹にワイヤーで縛り付けられており、そのワイヤーを持っているのは、もう片方の若者なのだから。



若者、はたけカカシは、少年、うちはサスケの荒ぶる心を鎮めるために、少々強引な手段を取っていた。





ずっと仇として憎しみを抱いてきた兄、うちはイタチと遭遇し、完膚(かんぷ)無きまでに打ちのめされた上、

うずまきナルトの思いがけない急成長を目の当たりにし、サスケは焦燥感を募らせていた。

このままでは、大蛇丸の言葉に耳を貸すとも限らない。

事態はそこまで切迫していた。
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