捧げもの
□カカシの誤算
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カカシは、当初の緊迫した空気を思い出し、それから現在のサスケをまじまじと見る。
落ち着けカカシよ。
お前は、確か途中までは、真剣にサスケのイタチへの復讐を止めようとしていたはずだ。
そして、その試みはある程度成功していたと言ってもいい。
だが、今、オレは何をしている?
なぜ、オレはサスケの話をこんな夜更けまで聞いているんだ。
そう、時刻はすでに夜の二時を回っていた。
カカシが目的を見失ってすでに久しい。
おい、サスケ。
まさかとは思うが…認めたくは無いが…
これはただの愚痴なのか?
カカシは虚空に問いかける。
オレはいつまで「これ」に付き合えばいいんだ。
どうやらすっかりサスケの憑き物は落ちたようだ。
オレの役目は終わった。
だが、よかったですねと帰れそうな状況にはない。
これは、カカシにとって完璧な誤算だった。
カカシでなくとも、誰がこの展開を予想することができただろうか。
…まだしゃべってるぞ、あいつ。
サスケはいまだ言葉をこぼし続けている。
空が少しずつ明るんできた。
ああ、夜が明けるなぁ。
カカシは、呆けたように白んできた空を見上げていた。
→あとがき