紅蓮

□七章
1ページ/7ページ

ある日の朝食後。
私と千鶴ちゃんは大量のお茶をお盆に乗せ、広間へと戻った。


「お茶が入りました」

私達は手分けして、幹部の人達にお茶を手渡していく。

「おぉ、すまないね」

それぞれ感想を口にしながらお茶を受け取った。

ちらり、千鶴ちゃんを見ると。
なんだか楽しそうにしてる。
みんなに認められ始めて嬉しいんだろうな。

そんなことを考えてたら、不意に土方さんがぽつり呟いた。

「八木さんたちにも世話になったが、此処もそろそろ手狭になってきたか」

そりゃそうだ。
新入りの隊士も増えたからね。
その新入りの中には、私の苦手なあの人も居たりする。

「僕たち新選組を受け入れてくれる場所なんて、何か心当たりでもあるんですか?」

軽い口調で沖田さんが尋ねると、土方さんは薄く笑って返答した。

「西本願寺」
「「………」」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ