紅蓮
□七章
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ある日の朝食後。
私と千鶴ちゃんは大量のお茶をお盆に乗せ、広間へと戻った。
「お茶が入りました」
私達は手分けして、幹部の人達にお茶を手渡していく。
「おぉ、すまないね」
それぞれ感想を口にしながらお茶を受け取った。
ちらり、千鶴ちゃんを見ると。
なんだか楽しそうにしてる。
みんなに認められ始めて嬉しいんだろうな。
そんなことを考えてたら、不意に土方さんがぽつり呟いた。
「八木さんたちにも世話になったが、此処もそろそろ手狭になってきたか」
そりゃそうだ。
新入りの隊士も増えたからね。
その新入りの中には、私の苦手なあの人も居たりする。
「僕たち新選組を受け入れてくれる場所なんて、何か心当たりでもあるんですか?」
軽い口調で沖田さんが尋ねると、土方さんは薄く笑って返答した。
「西本願寺」
「「………」」