紅に染まる世界

□6.
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「おはようございます、奈々さん」
「あら、悠ちゃん。おはよう」
「何かお手伝いすることはありますか?」
「そうねぇ…じゃあ、目玉焼きを作ってくれるかしら」
「はい」

フライパンに玉子を落として、焼いていく。
この家に来て覚えた料理だ。

「最近、並中生が襲われてるんでしょ?悠ちゃんも気をつけてね」
「…あたしは大丈夫だと思います」

思いっきり犯人と知り合いだし。
それよりも。

「ツナ君のことは、任せてください。あたしが必ず護ってみせます」
「まぁ、頼もしいわ。でもね、悠ちゃんは女の子でしょ。本当ならツッ君が護ってあげなきゃいけないのに」

「おはよー、母さん、悠。オレが何だって?」
「ねー、ツナ。護身用に格闘技でも習ったらどう?」
「何の話?!」

あたしが簡単に説明すると、ツナは納得したみたいで。

「余計なお世話だよ。オレ、関係無いから!不良同士のケンカだよっ」
「ツナ…本気でそう思ってるのか?」
「当たり前だよ!大体、やられてるのは風紀委員ばっかりなんだろ?」

風紀委員…。
そこが、分からない。
直接本人を襲うか、もしくはファミリーを狙えばいいのに。


何を考えているんだ、骸。
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