紅に染まる世界

□4.
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翌朝


「おはようございます、10代目!」
「…朝から鬱陶しい。よく耐えてるな、ツナ」
「あはは…」
「な…っ、何でテメェが此処に居やがるんだ!!」

迎えに来たらしい銀髪は、あたしを見てダイナマイトを構えた。

「や、止めて獄寺君!悠は、昨日からオレん家に泊まってるんだ」
「この女が10代目の家に…。ってことは」

銀髪は何か思案して、いきなり頭を下げた。

「気でも狂ったか?」
「数々のご無礼、失礼いたしましたっ!」
「…はぁ?」

ツナを見ると、彼も戸惑ったような表情をしてる。

「貴女は、10代目の女になられたんですよね?」
「なにを勘違いしてる。あたしは、誰の女でもない」
「悠、公園で寝泊まりしようとしてたから。女の子だし、危ないからオレが家に誘ったんだ」
「そうでしたか!10代目…なんとお優しい!!」

銀髪は目を輝かせて、ツナに尊敬の眼差しを送る。
本当、鬱陶しいヤツ。

「悠も一緒に学校行こうよ」
「あぁ。バッグを取って来る、少し待っててくれ」

あたしは階段を駆け上がって、部屋へと急いだ。
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