紅に染まる世界

□5.
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「よぉ、悠ちゃん」

帰り道。
あたしは、見知った男に呼び止められた。

「何だ、変態」
「その言い方酷っ!黒曜の情報を掴んだのに、もう教えてやんねーぞ」
「黒曜の…情報だと?!」

変態…じゃなかった。
シャマルはニヤリ笑って、自分の頬を指さした。

「何のつもりだ」
「まずは、礼を貰わなきゃな。教えるのは、それからだ」
「……チッ」

あたしはシャマルに近づいて、そして

「いっぺん死んで来い」
「がは…っ!!」

平手で殴った。

「大袈裟なやつだな。なにも吹っ飛ぶことないだろ」
「お前…今、本気で殴っただろ?!」
「何を言ってる。今のは挨拶程度だ」

ふらふらしながら、シャマルは立ち上がった。

「それで、何を掴んだ」
「…この間、転校生が三人来たって話はしたよな?」
「あぁ」
「そいつらの名前は六道骸、柿本千種、城島犬。どうやら脱獄囚らしいな」
「…。それで、ヤツらが何か仕出かしたのか?」
「何人か黒曜中のヤツを病院送りにしたみてぇだぞ」
「…そう、か」

分からない。
どうして一般人を巻き込むんだ。
お前の標的(ターゲット)はマフィア。
そうだろう、骸…っ!
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