紅に染まる世界
□2.
1ページ/5ページ
黒曜ランド
「六道骸、此処に居るのは分かってんだぜ!」
「さっさと出て来やがれぇ!!」
「外が騒がしいな」
「黒曜中の連中が来てるんだ。どうする、ランチア」
「あんな弱そうなヤツら、オレ一人で充分だびょん」
「…待て。骸に言われただろう。俺達は此処で待機だ」
「フン、つまんねー」
「…」
柿本千種は静かに二人から離れて、窓から空を見上げた。
彼が思うのは、一人の少女のこと。
(一体何処に居るんだ。何故、オレ達から離れた)
「何をしている、千種」
「…別に」
「柿ピー、緊張してるん?久しぶりの喧嘩らからドキドキして…」
「違う。ただ、めんどいから…早く済ませたいだけ」
(めんどいのは本当。でも、それ以上にあの子のことが気になってる)
溜息を一つ吐いて、千種はランチアの横にスタンバイした。
次の瞬間。
黒曜中の制服を着た集団が部屋になだれ込んで来た。