月と七人の王子様
□[ 変態という名の紳士
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「今日からこいつらがボスだ。オメェらは、ただボスを護ればいい。それじゃ、解散だぞ」
なんだか腑に落ちない。
あたし達が彼らのボス?
宙属性って、そんなに偉いわけ?
考え込んでたあたしに、クロームが声を掛けた。
「あの…ボス。よろしく」
「えっと、あなたは…」
「クローム……クローム髑髏」
「クロームちゃん、だね。あたし、未だに状況を把握できてないんだ。ボスとか、よく分かんないし。だから、名前で呼んでくれると嬉しい」
「じゃあ…華奈」
頬を赤らめ、あたしの名前を呼ぶクローム。
何、この可愛い生き物。
「私も、クロームでいい」
「うん、分かった。クローム、今日からよろしくね!」
「うん」
「なぁ、雲雀!オレも自己紹介した方が良いのか?」
「…必要無い。姉さんを護るのは僕一人で十分」
「何だ、その態度は!仮にも共にあの女子達を護る仲間ではないか」
「…五月蝿い」
そろそろ雲雀がキレそうだ。
あたしは慌てて二人に駆け寄ろうとした…の、だけど。
何かが足に絡まってそれを阻んだ。
「ランボさん、参上だもんねー!」
「あ…」
そうか、こいつも居たんだ。
改めて見ると、やっぱ可愛いなー。
「ランボ君、っていうんだ。よろしくね」
「華奈、オレっちの子分にしてやってもいいんだもんねー」
あたしは、とりあえず乾いた笑みを浮かべた。