紅蓮
□十四章
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二人の話がひとくぎりついたところで、私はお千ちゃんに話しかけた。
「私、邪魔じゃない?」
「全然!私、あなたのことも知りたいから」
にっこり笑うお千ちゃんは、私とは比べ物にならないくらい上品で。
なんだか同じ女として複雑な気分だ。
「それで、あなたは何処から来たの?」
「私も江戸…なのかなぁ、一応」
まさか、違う世界から来ましたーなんて言えまい。
「身寄りが無くて困ってたところを近藤さんに拾われたんだ」
「そう。二人とも、若いのに苦労してるのね」
お千ちゃんの言葉に、なんだか泣きそうになった。
目が覚めたら、いきなりゲームの世界の中に居て。
それから、羅刹やら神威やら色々言われて。
正直、未だ頭の中がパニック状態だ。
「ところで、千鶴ちゃん。あなたのお父さんの外見とか、特徴を教えてくれない?」
「…え?」
「島原には知り合いが居るの。あそこには都じゅうの情報が集まってくるわ」
「えっと…」