ネタ帳
死期檻々用のネタ帳。
会話文だったり、下書きの一節だったり、思いついたネタだったり。きゃらふとで作った画像だったり。
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◆ルプイチ小話 3月1日
手作りのお菓子を片手に、イチコは食堂へ足を踏み入れて早々に硬直した。
食事をする場所だというのに、食堂の中は明るい空気が消え失せどんよりとしている。
監獄といえど、この場はもっと明るい空気が漂っていたはず。
少なくとも、食堂へ足を踏み入れた者が「やっぱりやめた」と引き返すような空気ではなかった。
原因はなんだろうか。
否。わざわざ探さなくても、そのどんよりとした重たい空気を放つ人間は頭に容易く浮かび上がる。
室内に視線を滑らせれば、やはりというかなんというか。見知った藍色の大男が、とっても不機嫌な表情をして別の扉から食堂を出ていく所が目に入った。
一瞬しか見えなかったが、片手に書類が握られていた。
ああ、あれは絶対仕事を押し付けられたな。それも面倒な物を大量に。
知らない人の仕事なら、知らないと言って断りそうなものだが、そうもいかないような状況なのだろう。
目的の人物が居なくなり、イチコは大きく息を吐き出して食堂に背を向け、歩き出した。
とてもじゃないが、お菓子を渡せる状況ではない。
お菓子を渡すどころか、近づくのも無理だ。
近寄ったら確実に睨まれる。
胸に抱いた、菓子の入った紙袋に視線を落とす。
偶々休みで暇だったから作ってみたのだが、どうやら自分一人で食べるしかないようだ。
友人たちと食べてもいいのだが、そのつもりで作った物ではないので、微妙な気分である。
余り物を食べさせるみたいで申し訳ないのだ。
どうしたものかと、イチコは頭を悩ませる。
悩みに悩んで出した答えは、渡すだった。
暇潰しで作ったものだが、渡しておきたい。
今の状態では、食べずに捨てられてしまうかも知れないけど、この場合は渡せたという事実の方が大事だと思う。
そうと決まれば、あとはどう渡すかを考えるだけだ。
直接は無理なので、間接的に確実に届く方法をイチコは頭をいつもの倍は動かして考える。
考えている間も足を動かしていたので、自然と寮に着いてしまった。
玄関に並んでいる郵便受けの扉を開く。
中身は空っぽだ。
開けてから、今日の分は取り出していたことに気づく。
扉を閉めて部屋に帰ろうかとした時、頭の琴線に湧き出した考えが触れた。
今日作ったものがマドレーヌで助かった。
踵を返し、男子寮にある郵便受けに向かう。
ずらりと並ぶ扉の中から目的の扉を見つけ、誰の物かわかりやすいように走り書きで宛名を書いてから、中に押し込んだ。
◆死期檻々小ネタ6
ルプス+イチコ
夕焼けは藍色の帳を連れてくる 後日談
イチコ、インフルエンザにかかりました。
イチコ「ごめんねえ……。仲直りしたばかりなのに風邪ひいちゃって……」
ルプス「いいから、今は治す方に専念しろ」
「はぁーい……」
「大人しく寝てろ。俺は書類仕事持ってくるから」
「……ルプスさん、今日日勤じゃなかった……?もう、十時過ぎてるよ」
「お前を見張る為に休みにして来た」
「見張りなんだ……(人はそれを看病と言うのでは……?)」
「寝てろよ」
「OK……」
マオ+エラ
明けましておめでとう
エラ「お年玉ください」
マオ「“わお”直球で来たね」
「“おにいさん”だから」
「やっと“おにいさん”だとわかってくれた!じゃあ、お年玉をもらう前に、言うこと言おうか」
「先月。百貨店のフードコートで、ピスさんじゃない女の人と話すおにいさんをみた」
「一回、財布の中身確認していい?」
ボム+カフェオレ+ラズ
インフルエンザとノロにより、監獄閉鎖危機
ボム「まっずいな」
カフェ「まっずいですね」
「インフルとノロのダブルパンチで、監獄の人間の半分が倒れたとか、そのうち保健所の監査来るんじゃねえか」
「そのまさかですね」←保健所からのお知らせを見せる
「……まっずいな」
「まっずいですね」
「誰が対応するんだ?」
「ラズでいいんじゃないかと」
ラズ「風邪引きだよ!」←インフルではないけど風邪引き中
ボム「今年も風邪ひいたか」
カフェ「去年はインフルでしたから、元気な方です」
「うるせー!」
コウテイ+カフェオレ+リアトリス
夏の話
コウテイ「出張のお土産を持って来たよ!」
カフェ「凄いな。浴衣じゃないか」
リアトリス「綺麗な柄ですね。これなんか、先輩に似合いそうです」
「そうかな?」
「はい!」
「帯と腰ひももあるから、着てみるといいよ。全員分用意してあるよ」
「そうか。リアトリス、着てみるか?」
「え!私ですか!」
「着付けてあげよう。来なさい」
「はい……!」
コウテイ+イチコ
夏の話。(実母襲来事件の後)
イチコ「すごーい!浴衣だらけ!」
コウテイ「君の分はこれだよ」←と言って、めっちゃ高そうな浴衣を渡す。
「…………私が貰っていいの?」
「お土産だからね」
「本当にいいの」
「いいんだよ」
「やった。ありがとうコウテイさん!」
「うんうん。(やっぱり、笑った表情が一番だね)」
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会話文> 2018/01/20(Sat) 13:52
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◆ルプイチ小話 イチコの師走
よく晴れた、師走の某日。
「決まったか?」
暖かそうなマフラーが並ぶ売り場の前でうんうんと唸るイチコに、ルプスは問う。
初日の出を見に行くのに、マフラー無しでは寒いからという理由で急遽買いに来たのだが、彼女の表情は険しい。
五分、十分で服を決めて買う彼女が、今日は珍しく二十分は同じ売り場から動いていない。
息を一つ吐いて、イチコがルプスを見る。
発された言葉は、たったの一言だった。
「ない!」
「だろうな」
これだけの時間を割いても、あれがいいとかこれがいいとかの言葉も出てこなかった。
どれも、彼女の好みでは無かったのだ。
現在いる場所は、百貨店にある雑貨専門店だ。
その前に、彼女が好きなショップにも立ち寄って見たが、色合いはよかったのだが長い分類の物だったので却下となった。
「今日はもういいや」と、イチコがルプスの隣に戻り歩き始める。
つられるようにして、ルプスも歩き出した。
「マフラーがないと、首が冷えるぞ」
新年そうそう風邪をひかれたら困るという口ぶりで、彼女に言う。
「だよね」とイチコは言葉を返してから息を吐き出し、肩を落とした。
小さな身体が、さらに小さく見えた。
まさかマフラーが見つからない事態に陥るとは。
服と同じで、直ぐ見つかると思っていたのに。
もう少し早く、探しに来るべきだったか。
「クレープ食べて帰る」
沈んだ気持ちを持ち直したいのか、断定口調で提案された。
先導するように、珍しく桃色の犬が一歩先を行く。
クレープくらいならいいかと了承して、百貨店にあるフードコートに足を進めた。
もう何度も歩いている通路だ。
店舗の並びも、揃えられている品物も頭に入っている。
経営難か違う理由かは知らないが閉店した店もちらほらとあるが、空いたその場所にはそのうち違う店舗が入るだろう。
見慣れた通路で寄り道することはないと思っていたが、イチコがピタリと足を止めた。
ルプスも足を止めて、彼女の視線の先を辿った。
手芸の店舗だ。また、珍しい場所で立ち止まったものだ。
「どうした?」
「……ないなら、作ればいいんじゃない?」
くるりとルプスに振り向いて、イチコは言う。
ああ、また何か面倒なことを思い付いたなと、今度はルプスの方が息を吐き出した。
2018/01/04(Thu) 15:20
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◆実母来襲事件あらすじ
実母来襲事件あらすじ
(ルプイチ付き合う寸前辺りの出来事)
海に行ってから数日後。
イチコのところに、縁を切り音信不通となっていた実母から手紙が届く。手紙の内容は、イチコととある伯爵家の息子との結婚が決まったから迎えに行くという一方的なものだった。
気持ち悪さと嫌悪感から手紙を破り捨てるイチコ。
その日から毎日のように同じ手紙が届き、最初の手紙が届いてから五日後に、遂に実母が監獄に乗り込んでくる。
実母がイチコに結婚を持ってきた理由は、自分が出世し楽をしたい為だった。
孤児院に置き去りにした謝罪もないまま、母子が応接室で結婚するしないの押し問答をしているうちに、実母の頭に血がのぼり、イチコの頬を手加減なく平手打ちする。
(カフェオレ、ルプスさんマオさん以下数人唖然)
震える声で「私はお母さんにとって、何なのか……!」と問うイチコ。
母親は顔色を変えることなく「あんたは私の駒にしか過ぎない!」と言い放つ。
孤児院に捨てられてから、実母が迎えに来てくれることを心のどこかで待っていたイチコ。
ただ「待たせてごめんね」と言って欲しかった。
ただ「ただいま」と、言って欲しかった。
その願いは、実母の言葉によって見事に砕かれた。
大粒の涙を流しながら、訓練中で手にしたままの愛刀に手をかけ、イチコは抜刀体勢に入る。
が、刀は全部抜かれることなく、ルプスさんによって抜きでた部分の刀身を握られて止められた。
刀身を掴むルプスさんの手から血が滴り落ちるのを見て、イチコは息を呑む。
「柄から手をはなせ」
言われた通り、柄から手をはなす。
(この辺りで、ルプスさんが静かに「お前が、囚人になる必要はない」「今、あの母親を斬って、囚人になる必要はない」「どうしたって腸は煮えくり返るし、どうしようもない恨みもあるだろう。でも今は抑えろ」みたいな感じで言い諭してほしい)
(ルプスさんも腸煮えくり返ってそうだけど、イチコの手前と成長の為、そこはちょっとだけ我慢してほしい)
自分が何をしようとしたのか思い返して、嗚咽をこぼし、さらに泣き出すイチコ。
そのイチコに、実母は罵詈雑言を交えながら結婚をしつように迫る。
(この辺りでマオさんが口を挟む)
そこへ、出張に出ていたコウテイが応接室に到着し、室内を見回した後、いつもの軽い調子でイチコを医務室に連れていくようルプスさんに伝える。
実母の方はコウテイを視界に入れて、悲鳴を上げていた。
2017/11/25(Sat) 22:17
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◆イチコと母親
[死期檻々/イチコ] 6番目に登場したのにいつの間にか主人公兼ヒロインの座を手にいれてた桃髪少女。活発な割にはオフはだるだるしてる。とっても動かしやすい。マスター助かる。表情がころころ変わるのが良い。あと、内面が強いようで弱いよね。本当は人一倍寂しがりやなんだよね。
負けず嫌いだし、売られた喧嘩は買うタイプだし、いつもニコニコしてるけど、内側では自分を捨てた実のお母さんがいつか迎えに来てくれるって信じちゃってる。来ないの頭では理解してるのに心が追い付いてない子。カフェやチゾメが出ていった時も泣いちゃった子。可愛い。
五歳のイチコがお師匠様(養母)の養女になった時、しばらくの間「お母さんは?」って何度も聞いてたと思うんだ。それもいつの頃からか言わなくなった。言うとお師匠様が寂しそうな表情をする事に気付いたから。言うのをやめて明るく振る舞うようになった。
明るく振る舞えばお師匠様も笑ってくれる事にも気づいたんだろうね。イチコは笑って寂しい気持ちを隠してるんだろうな。そんなイチコにあの実母は「(自分が)出世する為の駒でしかないのよ!」って再会する時に言うんだからなあ。再会した理由もイチコを上級貴族の息子と結婚させる為だもんなあ。
さすがのイチコもこれには頭にきて、持ってた懐刀抜刀するんだけど、まあ哭いてるよね。
「ルプスさん、ごめんね。家族は大事にしろって言われたけど、あの母(ひと)だけは大事に出来そうにないよ……」
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イチコ> 2017/11/17(Fri) 11:24
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◆マガカフェ小話 ポッキーの日
「マーガ」
「なんですか、カフェさん」
午後になり、そろそろ小腹が空き始めるかなという時間帯。
来月行う予定の模擬戦の調整を進めていたマーガレットは、書類から顔を上げて隣にいる愛しい女性の顔を見る。
彼女は今日休日なのだが、暇だからと言って職場に顔をだしているのだ。
こじんまりとした会議室。
隣に座られる事はしょっちゅうある事だし、慣れている事だが、今日はいつもよりも近く感じる。
それもそのはずだ。彼女の方が、マーガレットの顔を覗き込むようにして身を乗り出していたのだから。
ツツジ色の瞳が、マーガレットを射ぬいている。
いつもの感情を込めない淡々とした口調で、カフェオレは言葉を放った。
「たまにはポッキーゲームしてみようか」
そう言った彼女の片手には、あの有名な棒状のチョコレート菓子が一本摘ままれている。
マーガレットは、頭上からたらいを落とされた時に近い衝撃を受けた。
あのカフェオレが。周囲からは氷みたいな女だと思われているカフェオレが。滅多に甘えて来ないカフェオレが、遠回しにキスしようかと誘っている。
数秒ほど硬直した後でマーガレットが出した答えは、やりますだった。
断る理由があるだろうか。
というか、彼女に遠回しに誘われたらゲーム関係なく襲いたいだろうが。
彼女を好きになって数年。紆余曲折あったが、お前の好きになった女は後々誘ってくるようになるぞと、数年前の自分に言いにいきたい。
諦めるな。彼女は必ず心を開いてくれる。むしろそれ以上だ。頑張れと応援してやりたい。
「じゃあ、やりますか」
カフェオレの手から菓子を受けとり、彼女の口にくわえさせる。
角を着けてる事で有名な、カフェオレと気心知れた女性の怒声が飛んで来たのはその直ぐあとだ。
「仕事しろおおおおおおおお!」
end
[追記] (2017/11/11(Sat) 16:44)
◆本名は鞠ですのー!