倉庫
□神
1ページ/1ページ
「いいえ」
響いた声に、僕の意識が僅かに戻る。
頭を声のした方に下げれば、大剣を背に背負い、物語の乙姫に似た服を着た君が、そこに居た。
「どうして……?」
居なくなったんじゃ無かったの?
僕の疑問を察してか、君はふわりと笑みを浮かべて、口を開いた。
「一緒に居るって、約束したでしょう?だからね、神様にお願いして、君を迎えに行く力をお借りしたの」
「迎えに?」
「そうよ。破滅へと導くからね、私が」
そうすれば、向こうでずっと一緒に居られるから。
言いながら、彼女は大剣を抜き、僕に向かって振り落とした。
end