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□神
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「いいえ」

 響いた声に、僕の意識が僅かに戻る。
 頭を声のした方に下げれば、大剣を背に背負い、物語の乙姫に似た服を着た君が、そこに居た。

「どうして……?」

居なくなったんじゃ無かったの?

 僕の疑問を察してか、君はふわりと笑みを浮かべて、口を開いた。

「一緒に居るって、約束したでしょう?だからね、神様にお願いして、君を迎えに行く力をお借りしたの」

「迎えに?」

「そうよ。破滅へと導くからね、私が」

 そうすれば、向こうでずっと一緒に居られるから。
 言いながら、彼女は大剣を抜き、僕に向かって振り落とした。




end

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