蝶の王子様

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「が……学校?」

 突然言われた学校と言う単語。
 この島にも学校があるんだなと思いつつ、また学校に行かないといけないのかとも思う。
 学校は嫌いだ、授業が退屈だから。
 あからさまに嫌そうな顔を浮かべるクウラに、カエンは学校の説明をした。
 そして、自分達の事も。

「クウラ様が、どの様な世界に飛ばされてたかは知りませんが、この世界、この国で生まれたあなたには、不思議な力が秘められています。学校は、その力をコントロールする為に学ぶ場であり、相手の力を学ぶ場でもあります」

「不思議な力?」

 何だそれはと、クウラは首を傾げる。
 自分は至って、普通の子供だ。
 育て親の……、神主の前に突然現れたこと以外は。
 カエンは不思議な力について、説明をした。
 昔々、そのまた昔。
 この世界には神獣と呼ばれる生き物がいた。
 神の力を得た獣。
 その姿は、昆虫から恐竜まで色々。
 いつしか神獣達は人の姿をとる力を覚え、力のない人間や、同族同士で子供を作った。
 生まれた子供には神獣の力が継がれ、代々に渡ってその力を受け継ぎ、今に至る。

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