蝶の王子様

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「早すぎますって、どういう事?僕のこと、何か知ってるの?」

 クウラは詰め寄りながら、カエンとコウランに問う。
 二人は目を合わせた後、コウランが口を開いた。

「話したい事は沢山ある。けど、今は話せない。一つ言えるとしたら、この国でお前は狙われてるって事だ」

「狙われてる?どうして?」

「それは言えません、言えないような相手に狙われてるのです。でも安心して下さい。私とコウランが、全力でクウラ様を守りますから」

絶対に守るから。

 カエンの言葉に同意するように、コウランが力強く頷く。
 此処は体が冷えるから、場所を変えようとコウランが切り出した時、今は聞きたくない声がした。

「おーいコウラーン、カエーン」

「まずっ、ケイラだ。カエン、急いでクウラを隠せ!」

「わかった。クウラ様、此方に」

 わけの分からないクウラを、カエンは無理矢理茂みの中に隠す。
 それと同時に、国王のケイラがコウランの前に姿を現した。
 ニコニコと笑みを浮かべて。
 その笑顔を、カエンは怖いと度々感じる。
 笑顔の裏に、何か隠れてそうで。

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