蝶の王子様

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 一人の男子が挙手して言う。
 イタズラ好きな男子達が、拍手を送った。

「良いと思うけど、それやるなら外だよね。中だと、割れたら水が飛んで、びちゃびちゃになるし」

 レオンが苦笑して言う。
 仕返しの集まりに参加しているけれど、これでも生徒会メンバー。
 他の生徒に迷惑のかかる事は出来ない。

「あいつら、朝早いから、それ以上に俺達が早く来て、登校した奴らに水風船をぶつける。これなら外だし、大丈夫だろ」

 他の男子が言う。
 他にも、恥ずかしい写真をバラ撒くとか、有志で花壇に水をかけるフリをして、わざと登校中の5年生にかけるなどの案が出る。
 水風船案もなかなかイケるだろうという事になり、後は写真と水風船の入手方法の話に入る。
 が、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、一時解散となった。

「結構、人集まったな」

「それだけ、5年生に迷惑してる奴が居るんだろう。全く、七光りで威張るのやめて欲しいよ」

 席に戻りながら、クウラとレオンが会話をする。
 席に座るサクラの横を通り過ぎた時、彼女に呼び止められた。

「ちょっと、あんた達」

「何?何か用?」

 レオンが席に座りながら応える。

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