蝶の王子様
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翌日の昼休み中。教室の隅にエンジュを筆頭とする5年生から、嫌がらせの被害を受けている4年生をクウラとレオンが集める。
勿論、言い出したのはクウラだ。
が、集まりを仕切っているのはレオンだった。
レオンの友人達に呼び掛けたのだが、集まった4年生は友人達の倍近くいる。
それも、殆ど男子ばかり。
学年男子の3分の1は来ているだろう。
どうやら5年生は、手当たり次第に嫌がらせをしているみたいだ。
(「エンジュって奴本当にガキだな」と、クウラが呟いたのは、集まり終了後だ)
みんな苦労してるんだなと思いながら、レオンは口を開く。
男子の集まりを見る女子の視線が痛いが、そんなの気にしない。
「えーっと、集まってくれてありがとう!今日みんなに来て貰ったのは、『5年生に仕返ししようぜっ!』って話がしたかったからです、うん」
数人の男子が大きく頷く。
この題は、呼び掛けた時にも伝えてある。
来てくれた男子は、「その話し乗った!」と言う組と、興味本位と言う組だろう。
今日の本題は此処からだ。
「それで、どうやって仕返しするか?なんだけど……」
「水風船ぶつけるのは?あいつら、良くボールぶつけてくるから」
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