蝶の王子様

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 夏の間、ユドンは時間のある限りクウラに力を教える。
 が、結局習得する事が出来ずに、9月の始業式を迎えてしまった。
 クウラはカレンダーを見て気付いたのだが、この国は元居た世界より、若干時間が遅かった。
 今度の通う学校は桔梗が丘学園と言い、9月から始まり年を越した6月に卒業式と修了式を迎えるそうだ。
 学園は初等部の1年から5年、高等部の1年から7年に分けられ、ユドンは今年から最終学年の7年生、クウラは4年生に転入する事になった。
 学校は城の側にあると言うことで、クウラはアヤキに会わないか心配になる。
 が、行かないと逆に怪しまれる可能性もあると言われ、行くことにしたのだ。
 幸い、アヤキはクウラの名前を知らない。
 アヤキは学校に来ることはないし、ユドンも居る。
 大丈夫だと言い聞かせ、クウラは真新しい制服に身を包み、ユドンと共に家を出た。

「クウラは行ってから職員室に来てくれだってさ。俺が送って行くから、後は担任が教えてくれるだろう」

「うん」

 学校に向かう途中、ユドンが教える。
 転入をした経験の無いクウラは、不安な気持ちでいっぱいだった。
 力を使う授業があったらどうしよう。
 自分落ちこぼれじゃん。

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