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「あー、腰痛いー。」

しろたんを枕にし、うつ伏せになりながら旦那は言う。
この所、仕事が忙しく、痛かった腰を更に悪くしてしまったのだ。

一番の原因は、出向先の職だろう。

「掃除機ばっかやらされてたもんなー。」

痛い痛いと言う旦那を、テーブルに座って眺めながら、俺はぼそりと言う。

暫くして、皿洗いを終えたマスターが、旦那に跨り、腰のマッサージを始めた。

「全く、黒影も見てないで、揉んであげなさいよー。」

「だって、俺がやると嫌がるんだもん。」

「いでで、腰の上に乗ったからだよ。」

「マスターだって乗ってる!」

「私は、足の上です!」

ぎゅうぎゅうと腰を押し、今度は背中を揉む。
今回も、かなり酷そうだ。

マスターが、背中から腰に移動した時、俺の身に着けていたマフラーが、足に引っ掛かる。

グイッと引っ張られ、俺は旦那の背中にダイブをした。

「イッテ!」

二人分の悲鳴が上がる。

慌てて、旦那から退くと、旦那は腰を押さえて唸っていた。

「旦那ー!ごめん旦那、大丈夫かー!」

「だ……大丈夫だ。」

死ぬかと思ったけど。





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