携帯

□俺達としろたん……え?
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曇っているにも関わらず、部屋の中はむしむしとして暑い。

そんな中、俺は赤斗と同じ部屋にいて、バチバチと睨み合いをしていた。

この女はかなり高飛車な奴で、人よりも新しいだけでかなり威張っている。
新種の携帯の分際で、俺の方が人生経験豊富なんだからな。

今、この部屋にいないマスターがそれを聞いたら、「何が人生経験だ。」と言われただろう。
携帯にだって、人生はある。
俺はあと3年は頑張れるもんねーだ。

「さっきから、何睨んでるのよ、ウザい男ね。」

「さっさと、病院に帰れよ。黒斗を返しやがれ。」

ギャーギャーと二人が騒いでいる時、黒影の視界を何かが横切る。
黒影は騒ぐのを止め、キョロキョロと横切った物を探す。

黒影の行動に、赤斗は首を傾げた。

「ちょっと、どうしたのよ。」

「今、黒い物が横切った。」

「黒い物?」

黒い物で、動くやつ。
赤斗の頭に浮かんだのは、この星に太古の時代からいるあの害虫。

ゴキブリ。

赤斗は叫び声を上げた。

「大声出すな!ゴキブリと決まった訳じゃないんだから!」

「黒いのって言ったらゴキブリでしょ!ゴキブリ以外に何が居るって言うのよ!」

「カブトムシとか!」





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