携帯

□03
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「俺が頑丈だからだな。」

直後、マスターにこめかみをグリグリと攻撃された。

「あたしの扱いが良いからよ。」

「そ、そうでした……っ!」

これのどこが、扱いが良いんだ。
涙目になりながら、グリグリとされたこめかみを押さえる。
ちくしょー、覚えてろマスターめ。
俺が壊れたら、泣き喚くが良い。

そんな事を思った翌日、事件が発生した。

朝、6時ジャスト。
寝ていたマスターと俺の所に、旦那から連絡が入った。

「マスター、旦那から。」

「何で、こんな朝早くから……。もしもーし。」

その後の旦那の言葉に、マスターと俺は耳を疑った。

『最悪、事故った。』

ーーーー。

「あーあ、本当に今年は厄年だな。また、やられた。黒斗も案の定入院だし。シルアルも入院だし。」

大きなため息を吐きながら、旦那は言う。
黒斗の代わりにやって来た携帯は、赤を主体とした色だった。

「人になったら、かなり高飛車な奴になりそう……。」

赤い携帯をまじまじと見ながら、俺は言う。
俺の中の赤は、高飛車なイメージしかないんだよ。
頼むから人型になるなよー、なるのは俺と黒斗だけで十分だ。

(ならないでー。)

(何、神頼みしてるの?)
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