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「おっ、富士山が見える!黒影写真!黒影写真!」
「へいマスター。」
マスターに言われた通り、観覧車から見える日本一の山、富士山を撮る。
旦那をチラリと見ると、天井を見ていた。
「ますたー、そとみないの?」
「違うよ、黒斗。蛍は見たくても見れないんだよ。高い所嫌いだから。」
「別に嫌いじゃないよ。」
外位見れると言って、旦那は地上を見る。
が、十秒経たない内に視線を逸らした。
「あっ、視線逸らした。」
「逸らしてない。」
「あー、頂上で観覧車止まらないかなー。強風吹かないかなー。」
「俺を殺す気か!」
旦那が突っ込みを入れた直後、観覧車が人を降ろす為止まる。
ビシッと旦那の体が固まった。
「止まったままにならないかなー?ねぇ、黒斗ー。」
「かんらんしゃ、もっとのってたい。」
「マスター、マスター。テーマパーク見えるぞ。」
「マジで!?城!城どこ?火山は?」
(旦那、探してやれよ)
(無理、死ぬ)