携帯

□03
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マスターの反応も最もだと思う。
俺も、人だったら同じ言葉を返していただろう。

旦那は、偶に突発的な事を言うからドッキリする。

未だにベッドで唸る旦那に、マスターは近づく。
小さくため息を吐くと、わしゃわしゃと旦那の頭を撫で始めた。

「ばーか。」

「ばかで結構。」

ーーーー。

すやすやと規則正しい寝息を立て、旦那は眠る。
マスターは向かいのベッドに腰掛け、じっとそれを見ていた。

もうそろそろ、人に戻ってもいいか。
旦那も黒斗も寝てるし。

俺は人に戻り、マスターの隣に座る。
マスターは何も言わず、まだ旦那を見ていた。

「マスター。」

「蛍は馬鹿だ。私はそんなに、優しい奴じゃないよ。」

(ただ、甘いだけだ。)

それだけ言うと、マスターは旦那の寝てるベッドに潜り込む。
俺は何も返さず、天井を仰いだ。


俺は携帯だから、人間の事良く分からないけど。

マスターは優しいと思うんだ。
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