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俺が見るに、俺のマスターと黒斗のマスターは、バカップル……なんだと思う。
てかバカップルか。
でも、やる事全部やってないんだよなー。
『僕らのマスター』
「あーヤバい、ヤバい。
早く明日の支度しないきゃ。」
クローゼットにしまってある旅行用のバッグを取り出しながら、マスターの沙羅は言う。
黒影は横になりながら、その様子を見ていた。
マスターは明日、黒斗のマスター蛍と浦安にある某有名なテーマパークに行くそうだ、泊まりで。
マスター達が泊まりで行くのは、これが二回目。
勿論、俺と黒斗もお供する。
「前回のホテルは豪華だったなーマスター。」
「そうですね。」
テキパキと、蛍の分の荷物も纏めながら、沙羅は応える。
あーでもない、こーでもないと、着替えの服を選ぶ。
やけに気合いが入っているように見えた。
「マスター、やけに気合い入ってないか?」
「私は入ってないよ。蛍は気合い入ってるけど。」
「いや、マスターも気合い入ってるって。」
何かあるのかと、黒影は思案する。
確かにマスターはあのテーマパークが好きだ。
が、テーマパークだけでこんなに気合い入る人だっけ。
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