携帯
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「蛍!大変携帯が「ますたー!」
眠たげだった少女が、突然顔を輝かせ、蛍に飛び付く。
蛍は少女を受け止め、よしよしと抱っこしながら、真剣な表情をして口を開いた。
「沙羅……、何時娘生んだんだい?」
「違う!激しく違う!子作りした記憶もないわ!」
「俺の中にはある。」
「それ、妄想だろ!」
ベシッと、沙羅は蛍の頭を殴る。
頭一個分の身長差がある為、威力は普段より半減していた。
「酷いな〜。」と呟く蛍の後に、復活した少年の言葉が続いた。
「同棲してるのに子作りまだとか、世の中のカップル吃驚だな。」
鼻で笑いながら、少年は言う。
再度、沙羅によって眠りにつかされたのは言うまでもない。
(あー、壁に穴がー。修理代がー。)
(大丈夫、後で香月に直して貰おう。)
(俺の心配もしようぜ、旦那ー。)