蝶の王子様

□03
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 コウランはへらへらと笑いながら、クウラに目をやった。

「おや?誰だい、この子?学ラン着てるなんて珍しい」

「俺も今見つけた所だ。君、名前は?」

「クウラだよ」

 カエンの質問に、クウラは答える。
 直後、カエンとコウランの空気が変わった。
 あんなに笑っていたコウランの顔が、驚きに満ちた物になり、カエンは真っ青になった。

「なんだと?」

「クウ……ラ……?」

 二人の反応に、クウラは首を傾げる。
 名前を名乗っただけで、何故そんなに顔色を変えるのか。本名を名乗るのはまずかったか。
 コウランはカエンの肩を掴み、揺さぶった。

「どういう事だ、カエン!何故あの子が此処にいる!?まだ早いだろう!」

「言っただろうコウラン、俺も今見つけた。こっちも驚いてるんだ!それに、誰が導いたのか……」

「呼び戻せるのは、彼奴しかいない。お前たちがやったんじゃないのか!?」

「馬鹿言うな。するわけないだろう、あの人が……」

 コウランの腕を振り払い、カエンはクウラに向き直る。
 クウラは何だよと言いたげな目を返した。

「クウラ様、無事に戻って来てくれた事は嬉しいです。でも……」

早すぎますっ!




end
04
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