*本*天使*

□風邪っぴき亀さん
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「?シン、どうかしたのですか、顔が赤いですよ?あっ!もしかして風邪とかですか?」

いつものように、ゴウとガイとレイとシンが集まって戯れていたが、ふとシンの顔を覗き込むレイが尋ねて、シンはいつもよりのんびりとした反応を返した。

「い、いえ…なんでもありません。どこも、悪くは……」

ピタリとゴウの掌をシンの額に宛がい熱を計る仕種をし、少し高い熱にきっぱり告げて。

「……シン、家に戻った方いいな。熱っぽいぞ?」

「ほら、やっぱり風邪じゃないですか!」

「シンが風邪なんて珍しいよな?」

レイは得意げに、ガイはシンを珍しげに見てから心配し、当本人のシンは戸惑いながら3人を見渡し。平然を装うように笑って見せて。

「だ、大丈夫ですよ?だるさはないので」

気遣うように笑みを向けるもどこかふらふらとし、一瞬気を緩めぐらりと身体が後ろへと倒れようとするとき、シンの身体をユダが受け止め引き寄せた。

「やはりな、朝からおかしいと思ったのだが…」

「ユダ!」

ゴウ、レイ、ガイが声を揃えて長身の天使の名前をくちにした。
シンはユダを確認すると平然装おうと身体を動かそうとしたが、うまくいかず、レイがシンの側に寄って肩をぽむりと叩き。

「まったく、無茶しないで寝ていてください。後で何か持っていきますから」

「すみません…」

「謝るのは後だ。今は休め」

「そうだぜ!後でマヤと見舞いに行くからさ」

「ガイ!駄目ですよ、シンの負担になりますから」

三人の会話の中、シンは黙り込み安心したのかユダに完全に身体を預けて体重をかけた。

「すまんな、シンはおれが看病する」

「くれぐれも、無理はさせないでくださいね?」

「…わかっている」

シンを抱き上げて立ち去ろうとするとレイに釘を打たれて眉を寄せながらユダが了承をし。
3人から離れて行きシンの家に到着をした。
ユダが優しく寝具に寝かせるとシンの髪を束ねるリボンを解いてやり寒くないようにと毛布をかけてやりシンの顔を覗き込む。

「いつになく、ぼんやりしているとは思ったんだが。」

「すみません…ユダ。」

「謝る必要はない。だが、天使でも風邪を引く…無茶はするな」

ユダの手の平がシンの額を優しく撫でる。少し熱っぽく、弱り切ってるシンの様子に心配そうに見つめるユダ。
その時、ドアがノックされレイがさっぱりとした果実の盛り合わせを持ってきてくれた。
寝具の側にあるテーブルに置いてシンの顔を覗き込むレイ。

「大丈夫ですか?…一応、食べやすい果実を持ってきたんです…食べれそうですか?」

「すみません、ご迷惑を……」

「もう、シンはいつもそうですね?ぼくたちは仲間じゃないですか、こう言う時は頼ってください」

シンを分かってるレイは、少し拗ねたような口ぶりで腰に手を宛てながらシンに告げて、シンはゆっくり身体を起こしレイは同時に果実をフォークに刺してからシンの口元に持って行き。

「シン、はい…あーん」

「えっ?……あの、自分で…」

「いいですから!ほら、あーんしてください!」

ちらりとレイがユダを見遣り勝ち誇ったような笑みを口元に浮かばせ、シンは驚いてユダの方へ視線を向けて様子を伺うも、レイに強く言われて従うように口を開け果実を口へと含ませた。
ユダは嫉妬とレイの笑みに眉を寄せて、レイがそれを見逃さず見遣り。
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