マジック☆ルナナルト
□1st POP:Magical crystal
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1st POP:
Magical crystal
それは今日も何時も通りに学校で過ごして家に帰宅して居た帰り道。
俺は何所にでも居る様な平凡な17歳の男子高生。
普通に授業に出て、友達と莫迦騒ぎをして
たまに寄り道をしながら帰宅する。
そんな毎日を繰り返して居た俺は、こんな平和な日々が続く儘一生を終えると信じて疑わなかった。
「……?」
帰路を歩いて居ると、外壁に凭れ掛かって座り込んだ金髪が目に止まる。
俺と同じ年位のソイツは妙な服装で何故か背中に黒い翼が付いていて
兎に角関わってはいけない様な雰囲気を漂わせて居た。
取り敢えず、見なかった事にして速足で前を通り過ぎようと思ったその時。
金髪が顔を上げて目が合った。
「あれ?あれれ〜?美味しそうなご飯見付けちゃった!!」
「は…?ι」
そう言って立ち上がった金髪の男は、俺を色んな角度から眺め始める。
何所の不審者だょコイツ…?
警戒して金髪を見て居ると、俺を正面に大きな蒼い瞳が捉えてニコリと笑った。
かと思うと
ちゅ…
突然唇を奪われた。
見知らぬ男にキスをされた衝撃の余り鞄がドサリと地面に落ちる。
「んー…駄目だなぁ。充電が足らない。それに全然美味しくないってばょ。」
真っ黒な翼を見ながら考え込む。
漸く抜け掛けた魂が戻って来た俺は唇を抑えて金髪から距離を取った。
「な、なな何だょお前!?何て事しやがる!?#」
「だってお腹空いちゃって死にそうだったんだもん。ホラ見て?羽が真っ黒でしょ?」
パタパタと羽を動かして自分の腹を抑える。
腹が空いたからキスをするとかどんだけ変人なんだコイツは!?
駄目だ、関わってたら疲れる。
「どうしよっかなぁ〜?ポップスターに帰るにもクリスタルが足りないからバイク動かないし…。」
「………。」
「この儘だと行き倒れちゃうかも。俺絶体絶命の大ピンチだってばょ!!」
何を言って居るのかも分からない。
俺は大きく溜息を吐くと全てを無かった事にして自宅に向かった。
世の中にはこんな変人も居るんだな。
今の日本終わってるぜ…。
「あ、良い事考えた!!」
背後で何かして居る様だが敢えて俺は振り向かないで居た。