C l a p 2
□小悪魔。
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小悪魔。
何時も太陽みたいに笑ってるアイツが、俯いていた。
落ち込んで泣いているのは、見て取れる。
と言うか、俺は見てしまった。
その時の俺の心臓は狂ってしまう程で、振られる事を期待していたんだ。
「成斗…仕方なかっただろ?桜は哉と付き合ってるって。」
「……何が?」
作り笑いを浮かべて無理矢理笑う成斗に、胸が痛くなる。
何時の間にか、俺はベンチに座って居る成斗を抱き締めていた。
「鎖介…?どうしたの?」
「俺の所に来れば良いだろ。俺が大事にしてやる。」
「え……?///」
きょとんと目を丸くするのは、仕方ない。
俺の心臓も狂った様に高鳴るけど、俺は成斗をより強く、キツク抱き締めた。
「そんなの…嘘だってばょ!!///」
「嘘じゃない。俺は本気でお前を好きだ。」
真っ赤になってしまった成斗を、真っ直ぐ見つめる。
俺が、コイツを幸せにしてやるんだ。
何年経かっても、『好きだ』と言う気持ちは変わらないから。
「俺はお前の事しか頭にねぇんだけどな。どうする?」
「どうって…。」
「お前の脳内を全部俺で埋め尽くしてやる。もうアイツを過去の話にすれば良い。」
そこまで言うと、成斗は突然吹き出した。
何がどうなのか分からずに、成斗を見つめる。
「俺、初めから鎖介の事が好きで、桜ちゃんに協力で告白の練習付けて貰ってただけだってばょ?」
「はぁ?ι」
「だから、鎖介に好きだって言って貰えて、凄く嬉しかったってばょ。本当に大好きだもん。///」
でしゃばって好感度を上げようとしたのが、裏目に出たか?
成斗はするりと、細く白い両腕を俺の背中に回した。
「鎖介、好きだってばょ。嫉妬したんでしょ?」
「当たり前だろ、お前に他の奴が好きとか言われるとひやひやするぜ。」
嬉しい気持ちと、嵌められた恥ずかしさで一杯になりながら、俺は成斗の肩に頭を乗せた。
―end――…