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□最強火影様
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最強火影様




午前9時、俺は緊急指令を出した。
Sランク級の任務は、上忍の中でも優秀な者しか向かわせる事が出来ない。
かと言って、複数の行動も危険に繋がる。
しかもこの任務は血経限界の…写輪眼を持つ者が妥当だと思った。


「ナァルトォオオッ!!」


バンッ!と大きな音が響いて、忍服姿のサスケが部屋に入った。
サスケは、うちは一族の生き残りで血経限界を持つ男だ。
サスケは猛スピードで書類を書いて居た俺に抱き付いた。


「何だ?俺に告白する気になったのか?それとも愛のキス―――…」

「今から任務やって来い。#」


ベシン!と任務報告書をサスケの顔に抑えつける。
サスケは俺に張られた資料を剥がして読んだ後、真っ直ぐ俺を見つめて来た。


「何だってばょ?」

「お前、此俺一人で行けって事か?」

「この任務の内容からして写輪眼を持つお前が―――…」

「そんな事出来るか!大体お前のその可愛さはどうなんだナルトォ!!安心して里を出られやしねぇ!!」

「お前が此所に居る方が危険だってばょ!早く任務行って来い!!#」

「照れ隠しか…?」


勝手に妄想を広げて話を聞かないサスケの頭を、手元にあった巻物で叩く。
中身のない空の音が聞こえた気がする。
沈黙して黙り込んだサスケを無視して、俺は溜息を吐いた。
サスケの所為で瓶から溢れたインクを拭き取っていると、急にサスケが机に手を撞いた。


「…そうか、気付かなくて悪かった。お前、そんなに俺が好きなのか。そうかそうか……結婚しよう、ナルト!!」

「どう解釈してそうなんだってばょ!つか先ず俺ん家狭いし何か色々無理!ご飯も一人前だし兎に角、俺の部屋にも入るなってばょ!!#」

「人間は酸素、水、食物がないと生きて行けないらしいが、俺はナルトが居れば生きて行けるんだぜ☆」

「……補佐官様〜此所に居るゲスを摘まみ出して下さ〜い!!」


突っ込み放棄で疲れ切った俺は、隣の部屋へ叫ぶ。
すると、直ぐに補佐官が出て来た。


「どうかなされました火影様?」

「其所に居る補佐官擬きが邪魔で書類が書けないから、ちょっと摘まみ出して欲しいんだってばょ。」


満面の笑みを浮かべるサクラちゃんに笑いながら、サスケを指差す。
俺とサクラちゃんを見て停止するサスケの肩へ、サクラちゃんが手を乗せた。


「補佐官殿、火影命令は絶対ですよ?そんな任務貴方なら直ぐ終わるんじゃないかしら?」

「写輪眼ならカカシも―――…」

「「良いから早く任務行け。」」


見事に俺とサクラちゃんの声がハモる。
それなのに、サスケは恐れる事もなく、忍具ポーチから白いくまさんがプリントされた下着を取り出した。
その下着に、俺の眼光が光る。


「まぁ、俺は此があれば大丈夫だ。」


ニヤニヤしてパンツに頬擦りするサスケに椅子を立って、机を回った。
どう見ても、アレは俺が一週間前に洗濯して干していたモノだ。
初め無くなった時は、風に飛ばされたと思っていたけど…まさか盗まれてたなんて!


「ナルコレは沢山あるからな。もしストーカーにあってナルトの使い古しがなくなる心配はない。」

「…ストーカー、今見付けたってばょ。こんな所に。」

「Σ何!?ストーカーには気を付けろって言ったろうが!!誰だ俺のナルトにストーカーする奴は!!殺す!?#」

「サスケ君、サスケ君がストーカーよ。」


哀れみの瞳でサスケを見つめていると、隣に居たサクラちゃんが溜息を吐いた。
今しがた発見したストーカー野郎は、ブツブツと何か言って居る、かと思えば急に俺の両肩を掴む。


「ナルト…真剣に聞いてくれないか?」

「じゃあ早く任務行って。ぶっちゃけ遅刻だってばょ。」

「お前の貞操をストーカーから守るには、もう既成事実を作るしかないな…!そうだ、俺は何時でも固く太くそして長いモノがある。それでお前を俺の下でΣぐはっ!?ι」


俺はサスケの股下を思い切り蹴り上げると、踞って居るサスケをサクラちゃんと部屋から引き摺り出した。


「サクラちゃん、ありがとってばょ!」

「えぇ、ナルトももう少しだから仕事頑張ってね。」


パタン、と静かに閉まった扉を見て、俺は火影室から木の葉を一望出来る、大きな窓の前に立った。
俺は、此でも六代目火影だ。
しっかりやらなきゃ―――…


「Σぎゃあああぁああぁぁっ!!ι」


何時の間に窓へ周り込んだのか、窓に張り付いたサスケを見て叫んだ俺の声が、木の葉の里に響き渡った。




―end――…





 
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