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□唇の悪戯。
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唇の悪戯。




貴方と付き合いだして、初めて口喧嘩をしてしまった。
今考えてみると、対した事じゃないのに
どうして、あんなにムキになってたんだろう?
あんな事を言った俺を、貴方は嫌ってしまっただろうか?
貴方の事大好きだから、今、凄く凹んでる。
付き合う前は、どうやって仲直りしてた?
それとも、あんなに酷い事を言ってしまったのに、仲直りしたいって思う気持ちが、図々しいのかな?


「サスケ…。」


ポツリと口から出たあの人の名前に、涙が込み上げる。
携帯を片手に、1時間…
たった一言の「ごめんね」のメールが送れない。
電話も、怖くて出来ない。
この儘貴方と終わってしまうの?
そんなの、嫌だよ。


「何、何時迄落ち込んでんだよ?」

「サスケが―――…」


耳に入った言葉に返事を返そうとして、初めて窓の外から俺を見て居る人に気が付いた。
何時から居たのか分からなかった、ずっと想ってたのに。


「ナルト…。」

「あ、ご…ごめんなさい!!」


ベッドから身を起こして、頭を下げる。
貴方からの返事はない。
呆れて居るのだろうか?
もう無駄な事だって…。
でも、好きだから許して欲しくて。
また「好きだ」って言って貰いたくて。


「本物の莫迦だなお前は…。」

「ごめんなさい…本当に、ごめんね。俺、サスケにあんな酷い事言ったけど、本当はサスケが大好きなんだってばょ。……もう遅いの、、かな?///」


返事が怖くて、声が掠れて、涙が、溢れ落ちる。
俯いた儘唇を咬み締めた時、ふわりと腕が回されて、躯を抱き締められた。


「サスケ…?///」

「あの程度で俺がお前を嫌う訳ないだろ。むしろ、俺の方が嫌われたのかって、思ってた。」

「嫌う訳ないってば!ずっと大好きだって、何時も言ってるってばょ。///」

「なら俺だってそうだろ。」


顎を軽く持ち上げられて、漆黒の瞳に捉えられる。
綺麗過ぎる顔立ちにドキドキして、顔が熱くなるのがわかった。


「好きだよ。一生…生まれ代わっても。お前が好きだ。」

「…本当に?///」

「だから、心配するな。絶対お前を手放さないし、嫌うなんて、有り得ないから。」


そう言って降りて来た何時もより優しい口付けに、俺は貴方の広い背中を、精一杯抱き締めた。
さっき悩んでた事が、莫迦みたいに思えて来る。


「っ…あ、サスケ。///」

「なぁ、仲直りする…?」


唇が放れて、耳元で甘く囁かれた言葉に、ボンッと顔が火照る。
考えてる事が、直ぐ分かった。


「もー!また直ぐそう言う事ばっかり!!///#」

「何が?仲直りしようぜ?」


ニヤニヤと不敵に笑って居る様子に、今回ばかりは溜息が出た。
でも、好きだから。
貴方の事。


「仲直り…する。///」

「そう来なきゃな?」

「調子に乗らないの!!」


無邪気に笑う貴方へ笑みを返して、俺は身を任せた。
喧嘩しても好きなんだから、ずっと。
仕方無いんじゃない?




―end――…





 
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