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□カエルの涙
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カエルの涙
[119000hit☆小説]
俺は今日も妙木山の蛾蟇油の滝で仙術チャクラを上手く使う為の修業をしていた。
エロ仙人が死んでから、この修業を始めて数ヵ月。
ペインと闘ってみて、実感した。
この仙術チャクラをもう少し長く保てないかと、ずっと滝を頭から被っている。
きっとサスケに会ったから、もっと頑張ろうって思えるんだ。
「サスケ…。」
大分変わってた。
同じ第7班で絡んでた時なんかとは違う。
闇に取り込まれているサスケは、暗く冷たいチャクラになってしまっていた。
だから、同じ闇を知る俺じゃないとサスケを救えない。
昔みたいに笑って欲しい、サスケに復讐なんて、似合わない。
一粒の涙が溢れた時、サスケのチャクラを感じた気がした。
まさか、そんな筈はない。
気を取り直して瞼を閉じる。
サスケがこんな所に来る訳がないだろ、何を考えてるんだ…?
自分自身に呆れて溜息を吐き掛けた、その時。
今度は間違いなくあの見覚えのあるチャクラを肌が感じ取った。
反射した様に滝から出て辺りを見渡す。
そんな、まさか―――…
「よぉ、ウスラトンカチ。」
「サスケ!?」
声が聞こえた方向に顔を向けても、サスケはいない。
幻聴?
そんな訳ない。
間違いなくサスケが此所にいる。
「ひゃあ!?」
チャクラに集中して探していると、急に後ろから腕を纏め上げられた。
凄い力だ。
振りほどけない。
顔だけを後ろに向けて、目を見開く。
漆黒の瞳を持ったサスケが其所にいた。
「サスケ…?何で……?」
「お前を殺しに来た。」
「え…?」
冷たく応えるサスケに身の危険を感じて、無理矢理サスケを払う。
反転して真っ直ぐにサスケを捉えた。
本気の目だ。
「楽に殺してやるょ…俺の存在をお前から掻き消す為によ……。」
不敵な笑みと、冷たい視線に凍り付いた。
「殺す」なんて突然過ぎる。
俺を殺す為だけに、こんな所に来たのだろうか?
「そ、そんな事…出来る訳ないだろ!俺は絶対に死なない!お前を連れ戻す!!」
「本当にお前は変わらないな…。安心しろ、もう二度とそんな考えを出来ない様にしてやるょ。」
咽喉でクツクツと笑いながら近付くサスケに一歩、後ずさる。
影分身の印を組もうとした俺の左手首は、一瞬の内にサスケの右手に掴まれていた。
「何だ?随分トロいな…。」
その儘手首を引っ張られて、俺はサスケの広い胸板に納まった。