マジック☆ルナナルト
□1st POP:Magical crystal
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俺はナルトの羽に触れようとした兄さんからナルトを引き離して片腕に納めた。
あの声を俺以外が聞くと考えると何故か気分が悪い。
「兄さん、ナルトの羽には絶対触れないでくれ。コイツ鳥人と言うかぶっちゃけ変人だから!」
「酷い鎖介!俺何も変じゃ…むぐぐ。」
此以上ナルトが兄さんを刺激しないよう口を塞ぐ。
端から見たら変人だろ、普通に考えて!
…一瞬天使に見えたけどな。
「なんだ鎖介?その子は自分のモノだから邪魔するなって事か?」
「違う!兎に角兄さんは今出ててくれ!!」
俺は未だ何か言いたそうな兄さんの背中を押して部屋から出してナルトから手を放した。
こんな生活がこれから先に待って居るのかと思うと気が重くなる。
先ずは母さんにどう言い訳するか考えねぇと…。
「鎖介ってば酷い!俺普通なのに変人扱いするなんて!!#」
「煩せぇ、地球人から見たらお前の存在、発言事態変なんだょ。兄さんのあの目久々に見たぞ…。」
扉を背に座り込んだ俺に頬を膨らませるナルト。
人の気も知らないで、此方は焦りっぱなしだっつーの。
「良いかナルト!お前に協力してやる反面お前も俺の言う事を聞け。」
「俺SMプレイは嫌いだってばょ。」
「違う!!#」
相手にするだけでも疲れて来る。
でもこの先決まり事を付けてないと余計に疲れるだろう。
俺は一呼吸置いて指を立てた。
「良いか?先ず俺の部屋以外ではその羽をしまえ。」
「えーやだ!!」
「それから魔法も使うな。この二つは絶対だぞ?お前が守るって言うならキス位幾らでもしてやる。」
「……本当?」
「あぁ。その代わり人前以外でな。」
ナルトは暫く考え込むと急に立ち上がってコンパクトサイズで取り付けたステッキに触れた。
淡い光と共に通常サイズになったステッキをくるくると回して肩より少し上の位置で止めると、トップの星が回転し始める。
回転速度が上がり光玉が集まりだすのと同時に、ナルトの足元にオレンジ色の魔方陣が現れた。
「くるりんポップ☆ルナナルト!アイツの姿にメタモルフォーゼ!!」
ナルトの唱えた呪文に反応して、星形の光が弾けた。
眩しい光がキラキラと降り注ぎ、ナルトの姿は俺と同じ木ノ葉学園の制服に瞬く間に変わる。
変身の呪文か?
だったらメタモルフォーゼだけで良いんじゃないのか?
そんな事よりズボン短いだろ、アレ今時の女がよく履いてる無駄に長い靴下か?
いや、コイツ元から太股程の長さの靴下みたいなの履いてたょな…。
色々突っ込みたいが其所は堪えた。