マジック☆ルナナルト

□1st POP:Magical crystal
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俺に体重を掛けて来たナルトのお陰で床に倒れる。
ナルトは俺の上で四つん這いになってより深く唇を重ねて来た。
ヤバイ、こんな所兄さんに見られたら終わりだ!


「ナルト…止めろ。」


そう言ってナルトの躯を押し退けようとした途端、俺の部屋のドアが開いた。
視線を寄越すと俺とナルトを真っ直ぐに見る兄さんの姿が。


「なんだ、鎖介バタバタ煩いと思ったら…取り込み中だったのか?」

「ち、っがぁああう!!#」


兄さんの第一発言に無理矢理躯を起こして否定する。
俺が起き上がった勢いでナルトが床に手を撞いた。
こんな奴と取り組む訳ないだろ、つか未だ会って1時間ちょいだぞ!?
有り得ねぇ!


「もー鎖介ってば恥ずかしがりなんだからぁ。笑」

「お前!唯でさえ誤解されてるのに更に誤解を招く様な事言うな!!#」


ニコニコと笑いながら告げたナルトに怒鳴って兄さんを見る。
本当にコイツはコロコロと態度が変わる奴だ。
さっき喘いで居た事が嘘みたいに平然としてやがる……じゃなくて兄さんの視線を追うと思い切りナルトの翼を見ていた。
パタパタと動くナルトの羽は、兄さんにしては興味を引く地雷に過ぎない。


「兄さん、違うんだ!コイツの羽は偽物で…そう、演劇部が作ったヤツなんだ!!ι」

「えぇ!?酷い鎖介!俺の羽は立派な本物だってばょ!!ちゃんと飛ぶ事だって出来るんだから!!」

「飛べるのか?」

「うん!」


膨れっ面で俺を睨んでいたナルトは、兄さんの言葉を聞いて得意気に翼を羽ばたかせる。
例えるなら天使、だろうか?
ふわりと風を起こしてナルトの躯は宙に浮いた。
自慢気に自分の翼を見てナルトが微笑む。


「ポップスターでも羽のある魔法使いは少ないんだってばょ。宙に浮く事は魔法で誰でも簡単に出来るけど、俺の翼は本物だってば。」

「ほぅ…鳥人の魔法使いか……。」

「莫迦!お前兄さんに解剖されたいのかょ!?何自慢気に―――…」

「解剖とは人聞き悪いな鎖介。俺はあの翼の仕組みが知りたいだけだ。」


思った通り兄さんはナルトの翼を研究対象にしようとしている。
今知ったばかりだけど、ナルトは羽が弱点基性感帯だ。
さっきと同じ声を兄さんに向かって上げるなんて、そんな事俺以外の前でさせられる筈がない。





 
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