マジック☆ルナナルト
□1st POP:Magical crystal
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海鼠か杓文字か、どっちがマシなんだ?
最早俺の脳内はその単語で埋め尽くされていた。
そんなものになりたくない!
「っ…分かったょ!俺が協力さえすれば人間の儘で居られるならキス位安いぜ。」
「本当!?協力してくれるの?ありがとーっ!!笑」
瞳をキラキラと輝かせてナルトが俺に飛び付く。
そうだ、海鼠や杓文字になる位ならコイツに付き合ってやった方が断然マシだ。
それに七色クリスタルを4つ作れば解放出来るらしいしな。
その時に杓文字になる可能性もあるらしいけど、此所は気合いで……
「鎖介?帰ってるのか?」
下の階から兄さんの声が聞こえてハッとした。
兄さんは大学の研究科部門に所属していて、色々と興味を抱いては研究に没頭する癖がある。
監視カメラや盗聴器、その手のモノは数時間もあれば簡単に作ってしまう。
つまりそれ程物の分解、改造をするのが趣味なんだ。
そんな兄さんにナルトがバレたら…
「おいナルト!今直ぐその羽しまえ!!それとこの家で魔法は絶対使うな!!」
「ほぇ?」
「だから、早く此をしまってくれ!!」
焦る俺にキョトンとして居るナルト。
兄さんにナルトが見付かったら絶対研究の対象にされる。
俺はナルトの背中に生えた純白の翼に触れた。
「ひゃんっ!///」
何も厭らしい手付きで触った訳でもないのに、高い声が上がる。
訳も解らず俺はナルトを見つめた。
さっき迄の威勢はどうしたのか、びくびくと躯を震わせてナルトが俺の胸に埋まる。
「ナルト…?ι」
「あ、羽に触っちゃ…駄目。///」
「は?」
「だ、だからだめ鎖介…あ、あぁ…っん。///」
甘い吐息を洩らしながらぐったりとするナルトの翼から手を放す。
火照った頬に潤んだ蒼玉の瞳…紅く濡れた唇は薄く開かれて居る。
まさか、コイツ…
羽が弱点?
と言うかむしろ性感帯!?
そう思って見つめるとナルトが異様にエロく見えて来た。
「な…ナルト?ι」
「鎖介……キスして?///」
甘く囁かれてつい唇を近付けてしまう。
ナルトの唇に唇が重なり掛けて、また我に返った。
危ない、危うく危険な道に走る所だったぜ。
そう思って安心するのも束の間、ナルトに頭を引き寄せられて俺の唇は奪われた。