マジック☆ルナナルト
□1st POP:Magical crystal
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今日に限って早く下校したのがいけなかったのか?
もう少し学校に居ればこんな事にはならなかったのか?
「普通にご飯食べて、友達と遊んで、寝るってばょ。」
「そのご飯がキスなのかょ?」
「うん。縫いぐるみ。笑」
どんな文化だょ。
突っ込む余裕さえない。
詳細を訊くと、ナルトは地球にポップスターって名前の星から来て見物して居る間、飯の縫いぐるみを無くして探し回り
結局あの場でクリスタルが尽きて座り込んで居たと告げた。
クリスタルって言うのはバイクを起動させるガソリンみたいなモノだろう。
そのクリスタルも特殊で故郷のポップスターにしかなく、急遽魔法で地道に作る事にしたらしい。
俺で。
つまり俺の感情が七色クリスタルを生み出しナルトはそれを回収…
全部集まったらポップスターに帰る事が出来るって訳だ。
「で、何でキスしねぇと七色クリスタルが出来ねぇんだょ?」
「俺の魔力をご飯の代わりにあげるの。だから鎖介早く七色クリスタル作って?」
「作り方とか知らねぇよ…。」
今にもキスして来そうなナルトから放れて台所のポットでお湯を淹れたカップ麺をテーブルに置く。
その七色は赤、桃、橙、黄、緑、蒼、紫色の7つらしいが。
この色にどう感情を合わせるんだか全く解らない。
「鎖介に付けた魔方陣が光ったら出来るんだってばょ。その為には―――…」
「地道にお前とキスするかセックスで一気に魔力を溜めるかだろ?他に方法はないのか?」
「多分ないってばょ。笑」
多分ないって笑える事じゃないだろ。
好きでもない同じ男とそう言う事ばかりするのは問題だと思わないのか?
「だから鎖介、堪忍して俺とえっちしよ?そしたら直ぐだと思うってばょ。」
「ほざけ…。」
男を抱く趣味はない。
本日何度目かも分からない溜息を吐いて俺はカップ麺をナルトに差し出した。
多分箸は持った事がないと思うから、代用にフォークを渡す。
「それ食ったら腹の足しになるだろ。」
「何此?美味しいの?」
カップを閉じていた蓋を除けてやると、ナルトはカップ麺を珍しそうに見て口に入れた。
ズルズルと熱そうに麺を啜って居たナルトが顔を上げる。
俺は初めてカップ麺を口にして両頬を抑えたナルトに無言で注目した。