マジック☆ルナナルト
□1st POP:Magical crystal
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中に入った俺にナルトも何の遠慮もなくついて入る。
今は兄さんも母さんも居ないらしいけど。
こんな変人が見付かったらどう言い訳をすれば良いか…。
家に帰る迄も近所の住民に変な目で見られて居たのに。
「取り敢えず…俺の部屋で着替えてくれ。つかその羽しまえ。」
「やだ。お腹空いてもう魔法使えないってばょ!」
パタパタと黒い翼を動かすナルトから目を放して階段を上がる。
確か俺の部屋にカップ麺があった筈。
それでも食わせてやれば腹の足しにはなるだろう。
俺は自室に入るとブレザーを脱ぎ捨てて鏡の前に立った。
俺の姿を映す鏡にもはっきりと刻印が見える。
小さな魔方陣みたいな刻印に、もう痛みを感じない。
「ったく、最悪だぜ…。」
「ねぇ、お腹空いた!鎖介お腹空いて死んじゃうってばょ!!」
「其処にカップ麺があるからそれでも―――…」
俺が言葉を終わらせる前に飛び付いて来たナルトの勢いでベッドに倒れる。
ナルトは俺の上に跨がって両手を撞くと躊躇すらなく唇を重ねて来た。
「ちょ、止めろ…!」
「んぅ…。」
角度を変えて深く口付けるナルトの唇から逃れ様と肩を抑える。
何で俺がこんな奴と…
「やっぱり美味しくない。」
「…知らねぇよ。不味いならもうするな。」
ナルトは俺から唇を放すなりそう言った。
キスをされた挙げ句文句を言われるとムカつく。
俺に跨がった儘何か考えて居たナルトが深刻そうに俺を見つめて来る。
「鎖介ってさぁ…やっぱりキスした事ないの?」
「Σなっ!?///ι」
「キスに慣れてない人って美味しくないんだょねぇ…。こうなったら俺が美味しくしてあげるってばょ。えっちする?笑」
普段どんな生き方してるんだコイツは。
確かに俺のファーストキスは見ず知らずのコイツに奪われた。
かと言って―――…
「ちょ、待て!腹が減ったなら食いモンがあるからマジで止めろ!!ι」
「えー?えっちしないの?」
何で残念そうな顔をするんだ!?
ナルトを無理矢理引き剥がして起き上がる。
童貞迄取られて堪るか!!
「鎖介、俺美味しいってばょ?」
「知るかょそんな事!大体お前普段どんな生活してんだょ!?ι」
パニクった頭を何とか落ち着かせようと試みる。
俺は今日が人生で一番最悪な日だと感じた。