気象

□ごく自然にヴァルゴ
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残り25分。
遊びの部分を入れて35分。
とりあえず、反応を見ておいた方がいいな。
突いてみようか。

…効果無し。

王道な方法で、揺さ振ってみるか。

……効果無し。

普通に声を掛けるか「リーダー、起きて下さーい。」

………効果無し!

ピクリとももしない。
どうすればいい。
この調子だとあと2時間あっても起こす自信はない。
さりげなくヤバいミッション頼まれた?

「リーダー、起きて…ええと、雅紀が呼んでる。」

「翔さんが困ってるから。」

「…どれも効果ねぇし。」

何が他人の為なら起きる、だ。
他にも魚の小骨が刺さったとか色々言ってみたが起きる気配がない。
先に頼んどかないと駄目なんじゃないか?
時間は残り10分。
いよいよ寝に入るつもりではないのかと聞きたい。

「ニノが膝枕って言ってるから起きて…。」

―ポスン。

え…?
今、もしかしなくても反応有った?
じゃねぇよ。

「なんで?」

「…んー…。」

見上げる形で眠そうな顔が見えて、もしかしなくても膝枕をされている?
何故?

「リーダー、起きたの?」

「んー…無理。」

それから何故か気持ち良さそうに俺の髪や顔を撫でて、また目を閉じてしまった。
お願いだから、俯いて来ないで。
心音が、赤い顔が伝わっていない事を祈るだけだ。
顔が近付くにつれ、目を開けていられなくなった。

―トン

と額と額が当たった。
その位置で収まりが良かったのか全く動く気配はなく45分を告げるアラームが部屋に響く。
アラームを止めなければ、リーダーを起こさないと。
そっと目を開くと思い切りガン見しているリーダーと目があった。

「うぇっ…あ…あれ?」

「おはよう、潤。」

おはよう、って…おはようって、挨拶のついでにキスした?
俺まで寝ぼけているのかつい今のことなのに記憶が貞かではない。

「…おはよう。」

「アラーム止めるよ。」

「う…是非とも止めて下さい。そして取材に行って下さい。」

分かった。と俺をそっとソファに残してアラームを止めてハミングしながら楽屋を出て行った。
超絶恥ずかしい。
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