気象2

□初恋成就へのレディネス
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二度目の初恋をした。

一度目はずーっと昔の、若いというより幼いって言った方が正しいくらいの時。
俺は彼に初恋をした。
ただ単に大好きってだけの、言わば子どもの初恋だ。
それから一旦兄離れをして、二度目はここ2〜3年だと思う。
たまーに魅せる男な所とか、大人の余裕とか色気にドキッとする。
ドキドキさせられて、きっと恋なんだって気付いた。
これが大人になってからの初恋。
近くに居ればそれだけでドキドキしていたあのころと比べ、今はそうでもない。
普通に話せるし、一緒にシャワー浴びたって平気。
だけど、ふとした瞬間に、ドキッとさせられるんだ。

だからって俺達がどうこうって訳はないだろうから、甘やかしてくれるのをいいことに甘やかされているのが現状だ。
「可愛いなぁ」に「うるさい」って答えたり。
本当は嬉しいんだけどね。
この人に可愛いって言われるのは俺くらいで、それがまた馬鹿みたいに嬉しくて。
大宮みたいに別段仲良くベタベタしているわけでもないし、山コンビみたいに特別な絆があるわけでもない。
だから俺も“トクベツ”な存在になれたらいいな、とは思う事がある。
このままでいい、とか。いつかは、とか。
そんなの度胸が無いだけなんだってわかってる。
こうやってうじうじ時間を無駄にしてる奴なんか、彼にとっては好意的なポイントではない。
だから、隠せばいい話ではあるのだけど。
独占する必要はないし、とか強がって。
ホント、いつからだったかな、こんな秘めてんのは。
こんな健気な想いを持てあましての一人酒は少し寂しい。





「ほしくないっちゃ嘘になるよ。」

「へぇ」

「いや、本当はほしい。分かってる。」

「そう」

熱く独り言を語る俺の話を静かに聞いている翔さん。
それなら俺が手伝おうか、とか言わないと分かっているから想いの吐露は激しくなる。

「んでさ、俺めんどい。自分が。」

マジで自分がうぜぇ。
昔そんなグダグダな俺に突き合わせて謝ったら、翔さんは俺の醜態を肴に酒を飲むからいいんだと答えた。
ある意味恐ろしい人だ。

「いやぁ、今日は松本2割増しだったね。」

「そんな扱いは相葉2割増しだけで勘弁してくれ。」

「いやいや、うん。またいつでも聞かせてよ。」

他人事だからって。

「俺、智くんにはドMだからね。あの人がSっ気ふりまいてる話聞くと興奮すんの。」

Sっ気というか、単に俺が何にも出来ないだけじゃん。

「智くんが松潤を困惑させる。智くんが…あぁ、たまらないよ。」

あんたも大概変態だよ。
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