その他ゲーム系
□膝小僧
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眠りについて、どれだけの時間が経った頃だろうか。
俺は、寝苦しさに目を覚ました。
エアコンにタイマーをかけ、時間が経ったら切る設定にしていたから、室内の暑さで目覚めたのだろうと思った。
そこで、エアコンの方に目を向けると、まだ運転中を示す緑色のランプがついていて、僅かに稼動音が聞こえる。
室内は確かにひんやりしていて、暑いということはなかった。
では、何故…?
その時、俺はやっと寝ぼけ眼から完全に覚醒して、俺の腕に何かが乗っているのを感じた。
真っ暗な視界の中、それが一体、何であるのか全く見えない。
腕を動かそうと試みるも、ずっしりとした重みがそれを許さない。
黒い塊は時々、モゾモゾ動いて、生暖かい息を吐き出している。
まさか、あんな子供だましの百物語で本当に、霊か物の怪を呼び寄せたのか?
それが、後を付いて来て、俺の隣にいるのでは……。
一気に脂汗が滲み出し、相手の様子を見ながらそっと枕もとの明りに手を伸ばす。
『こういった時、金縛りにあうものだが、体は乗っかかられている腕以外は動くな…』
鼓動が煩いほどにその速度を早めている。
耳元で鳴っているかと思うほど、ドクンドクンと脈打ちだす。
そして、いよいよ手が明りのスイッチに届き、俺の周囲がパッと照らされた。