その他ゲーム系

□膝小僧
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 夏休みも半ばの頃、それはポストに入っていた。



《真夏の肝試し!!!百物語☆百話目を話した時、聞いた時、何かが起こる…!!!場所:公民館 時間……》



 いかにも手作り感溢れるマジックでそう書かれた紙を、最初に見つけたのは純也だった。

 そして、興味津々と言った顔で食い入るように何度もそれを眺めていた。

 俺はというと、そんな純也の後ろから少しだけ覗き見して、何の興味沸かず、それよりもと図書館で借りてきた文献を読んでいた。

「ねえねえ、母さんが行っても良いって!!兄さんも一緒に行くよね!?」

 子犬みたいにキラキラと瞳を輝かせて、純也は俺の服の袖を引っ張った。

 純也に頼りにされるのは嬉しいが、今はそんな与太話に付き合うより、借りてきた本を読み終えたかった。

「俺は行かな……」

 そこまで言った所で突然、満面の笑顔を浮かべた叔母さんが、

「そうね、お兄ちゃんも一緒なら、夜道も危なくないわね」

「え、叔母さん?」

「それに、一緒の方が純也も嬉しいわよねー?」

「うん!!」

「あら、大変、もうすぐ時間だわ。行ってらっしゃーい」

「……………行ってきます」

 これが、母親の迫力というものなのか…。

 俺は一切、口を挟むことが出来ず、強制的としていえない状態で純也と一緒に公民館へと向かった。
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