冷たい背中

□1.亡キ命ノ居場所
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「…あら。タッ君、眠れないの?」


星が綺麗に瞬く空は、母親をとても美しく、神秘的に照らした。

星を見ながら母親は、
小さい息子が横になっているベッドに腰掛ける。


「…ままぁ。あのね、きょうね、りょーくんとね、
…ケンカ、しちゃっ、たの。」


今にも泣き出しそうな声。
母親は、クスリ、と微笑み、一冊の本を取りだした。


「…タッ君は、友達とか、命について、考えたこと、ある?」


低い、母親の声が澄み渡った。


「? …ないよ?まま、どうしたの?
……泣いてるの?」


―ぽた、…ぽた。


母親の瞳から、涙が零れていた。



「…ふふ。今から、タッ君にお話してあげようかな、と思って。」










“夢のような、不思議で切ない、オトギバナシを”


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