FF駄文

□空色の…
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リディアがぼぅっとカインを見つめて記憶を手繰っていると、不意にカインが言葉の続きを吐き出した。
リディアはハッと我に返り、目を見開いてカインを凝視する。
カインはリディアから目を逸らして、殊更辛そうに言葉を続けた。

「…俺は、君の母親を殺した。それどころか、君の村を焼き払うという…大罪を…」

「ちょっ、ストップ!!最初にも言ったし、セシルにも言ったじゃない!その事はもう言わないでって…!!」

「…セシルはずっと君を守ってきたからそれでいいかもしれない。だが、俺は…、…!?」

リディアが反論しても、カインは話し続ける。
だが、またもやカインは言葉を止めた。
―突然リディアが、手を包み込むように握ってきた事に驚いて。

「…あたし、幻獣王様から聞いて知ってるんだよ。バロンの王様が偽物に入れ替わってて、それで、カインとセシルが騙されてた事。だから、カインもセシルも悪くないんだよ。それにカイン…あの時あたしを助けようとしてくれたじゃない。」

そう言ってリディアは慈愛に満ちた笑顔を浮かべた。
成長したとはいえ、まだ少女といってもいいリディアのその笑顔に、カインは思わずリディアを凝視してしまう。
ジッと見つめられている事が恥ずかしく、リディアはパッとカインから目を逸らした。

(…それに…本当は、あたしだってカインに謝らなきゃいけないんだ…。)

リディアの目が、ほんの一瞬だけ伏せられる。
でもきっと、操られていた時の事なんて言われたくないだろうから。
リディアは再びカインに目を向けて、にっこりと笑顔を浮かべた。

「えと、だからこの話はおしまい!ね?」

「…フッ…。」

首を傾げて同意を求める仕草があまりに幼く見えたのだろう。
思わずカインの口から笑いが洩れた。

「あぁっ何で笑うの?あたし、何かおかしい事言った?」

「いや、すまない…それより、食事をするんだろう?早く食べないと、遅くなるぞ。」

「!!うわっほんとだ!!」

時間を見て、リディアは慌ててフォークを持って食事をし始める。
やはりカインは動かず、ただ頬杖をついてリディアを見ていた。

「………………あ、カイン…最初の話だけど、食べ終わったんなら先に部屋に戻っててもいいよ?退屈でしょ?」

そんなカインが気にかかり、リディアは口に入れていた物を飲み込んでからカインにそう問いかける。
するとカインは、彼にしては珍しい、優しい笑みを浮かべた。

(…あ………。)

そのカインの瞳を見て、リディアの胸がキュゥッと締め付けられる。

「1人で食べていても味気ないだろう。その、リディアの…邪魔になるなら部屋に戻るが。」

「え?うぅん!邪魔じゃ、ないよ。…ありがとーカイン。」

自分を気遣うカインに笑顔を向け、リディアは再び口を動かし始めた。


昔見た貴方の目は、暗くて、冷たくて、深い海の底のような寂しそうな目だと思ったの。
でも今は、全然違うんだね。
今の貴方の目は、温かくて、優しくて、すっごく綺麗。
…まるで地上の青い空みたい。


(…ご飯食べたら、そう言ってみようかな……。)

そしたらまた、優しい笑顔を見せてくれるかな。

モグモグと口を動かしながら、リディアは心の中でそう企む。
優雅な仕草(リディアにはそう見える)で食後のお茶を飲んでいるカインを見て、リディアはこっそりと楽しそうな笑みを零したのだった。


end


何となく書きたくなったリディア再会時と2人の馴れ初め(?)。
お互いに複雑な気持ちはあるでしょうけど、支え合えるような関係になってほしいです^^
何故リディアがカインに謝らないとと思ったかは、セシルとカインを引き離し、洗脳される状況を作ったのは自分だと思っているからです;;
いつか話に出すかもしれませんが、出さないかもしれないんで補足をば。
カイリディっていうよりカイン←リディアですね;;それもかなり微妙な;;
タイトルが全く思い付かず、結構まんまなタイトルでそれも微妙な感じですが…;;
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです!
ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました!


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