刹那の夢

□幸せの時間
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あなたが欲しくて。
あなただけしかいらないから。
ずっとずっと抱き締めていて。
強く、強く。



冬馬の部屋の柔らかなベッドの上で、座ったまま抱き締められて早十数分。
彼の胸に耳があたるせいで聞こえるのは、少し早い鼓動。
真っ赤な顔をしてるんだろうなぁと思ったら、おかしくなってくる。

「何笑ってんだよ」

強く抱き締められた腕の中、思わず笑みが零れてしまった。

「いやぁ…幸せすぎて?」
「……ばーか」

言いながら顔を背ける冬馬。
彼の耳が紅く染まっている事が確認出来た。

「照れてる?」
「……てねぇよ」
「ホントに?」

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