緋語り
□『ハツコイ』
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ジャクリーンは、1人になると通された部屋を座ったまま、見渡した。
大きなトロフィーが誇らしげにショーケースに並べられ、テーブルや椅子などの調度品の数々も一目観るだけで高価な物だと分かった。
初めて訪れたはずなのだが、それらを見た記憶がジャクリーンにはあった。
「…何故かしら?」
誰に聞くでもなしにジャクリーンは、ぽつりと呟いた。
「待たせてスマンのぉ」
ジャクリーンが頭を捻っていると、初老の超人が親しげに部屋へと入ってきた。
ジャクリーンは慌ててソファーから立ち上がり、頭を下げた。