灰色語り

□『生(セイ)』
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 目を閉じると、何時も思い出す光景がある。





 そんな時、オレはお前の姿を探し、ギュッと強くお前を抱き締める。





「どうしたの、ブロッケン?」






 毎回、お前はそう聞いて…





 毎回、オレは、お前の温かい唇に口付けする。






 そうする事でオレは、『生』を実感するんだ。







 お前は、笑うかもしれないけど…







 お前の温もりが―…







 お前の鼓動が―…







 オレをあの時の恐怖から、解放してくれるんだ…







 だから…







 もう少し、このままで…







 居てくれますか?



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