天網恢々
□紅之館 第四章
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「アタシは11時半頃にヒロナと夏帆と散会して、それからは部屋で寝てたよ。で、叫び声が聞こえたから皐月と一緒に現場に向かったの」
操が部屋から飛び出して来たのは確認している。
「私は雄哉が帰って、叫び声が聞こえるまでの間はお酒の空き缶を片付けていたわ」
次に夏帆が言い、そこから皆順番にアリバイを話し出した。
「俺は晩飯を食ってからずっとしおりと一緒に居た。現場にもしおりと一緒に駆け付けた」
「えぇ。ワタシ達は悠介の部屋に居たのよぉ。ワタシ達が部屋から出た後直ぐに純平が出て来たから見てるわよねぇ?」
「はい、二人が隣の部屋から飛び出したのは見ています。僕は夕食後からずっと部屋に居て、叫び声がするまで部屋で寝ていました」
悠介としおりは何をしていたんだ?と思ったが、二人の姿を改めて見てそれは直ぐに解った。
悠介はジーンズを履いていたが上は裸のまま。
しおりは紫のネグリジェ姿だ。
それに他の皆も気付いたのか皆顔をしかめている。
「何よぅ?」
その視線に気付き、しおりが少し眉を釣り上げた。
確かに不謹慎ではあるが、まさか情事を重ねている間にあんな事件が起こるとは思わないだろう。
「他の皆は?」
このままでは埒が明かないと思い、まだアリバイを言っていない者達に促す。
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