天網恢々
□紅之館 第三章
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やがて私達は食事を終えて、各々散らばった。
今私と操は応接室に居る。
他にはヒロナと夏帆がソファに座っていた。
「なあ、ここって海で泳がれへんのかなあ?」
「泳げそうだよねぇ」
「やろ!?操もそう思うやろ!」
ヒロナが海で遊びたいと騒ぎ立て始めた。
それに操も乗って二人で騒ぎ出す。
「安藤さんに聞いて来るわね」
そんな二人の様子を見かねて夏帆が席を立って言い、応接室を出て行った。
「操、ヒロナ…夏帆が戻って来たら必ず礼を言えよ」
「わかった!」
「はいよ!何や皐月って姉御みたいやな」
………………。
何なんだ。
ヒロナが言った言葉に操が大袈裟に反応して、又二人で騒ぎ出した。
「寝る」
「え!?皐月っちもう寝るの?」
「姉御ー、そら早すぎやで」
今の時刻は午後9時。
確かに寝るのにはまだ早いが、この場に居ると疲れるような気がしたのでソファから立ち上がった。
「操とヒロナも適当に寝ろよ」
「「はーい!」」
右手を軽く上げてから、応接室を出た。
子供か、あいつ等は?
そして階段を上がろうとしていると、夏帆が歩いて来るのが見えた。
「あ、皐月。部屋に戻るの?」
「ああ。…もう疲れた」
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